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講師のつぶやき第102回

第102回「できた」の裏側にある、君たちの足跡  山内 裕昌

暦の上では春とはいえ、まだまだ冷え込みの厳しい日が続いています。教室の加湿器がフル稼働する中、生徒たちが吐く息の白さと、机に向かう熱気のコントラストに、今年も「この季節が来たな」と身が引き締まる思いでペンを執っています。

今、この原稿を書いているのは2月の半ば。中学生にとっては学年末テスト、そして中学3年生にとっては人生の大きな節目である県立入試が目前に迫る、一年で最も「濃い」時間の中にいます。

■ 1年前の君を覚えていますか? この時期、自習室の空気はピンと張り詰めます。ふと、今必死にペンを動かしている生徒たちの1年前の姿を思い出します。 新しい単元に頭を抱え、「全然わからない」とペンを止めていた日があったはずです。中には、部活動との両立に悩み、眠い目をこすりながら塾に来ていた子もいました。中3生なら、志望校選びに悩み、不安で顔を曇らせていた夜もあったでしょう。

講師として隣で見ていて、何より嬉しかったのは、皆さんの「粘り強さ」が育ったことです。最初はすぐに「先生、教えて」と言っていた子が、いつの間にか15分、20分と自分で考え抜くようになった。数学の証明問題で、何度も書き直して正解に辿り着けるようになった。その一つひとつの小さな変化、答案用紙の余白に残された計算の跡こそが、この1年間の最大の収穫です。

「終わり」は「始まり」の準備期間 3月は「年度末」ですが、私はこれを単なる区切りだとは思っていません。学習において、3月は「土台を固める月」です。 数学を例に出せば、1学期に習った「正負の数」や「文字式」の基礎がなければ、今の「方程式」や「関数」は解けません。今皆さんが苦労して身につけている知識や、毎日机に向かうという習慣は、すべて4月からの新しいステージを支える強固な「土台」になります。

もし今、「頑張っているけれど、なかなか結果が出ない」と焦っている人がいたら、こう考えてみてください。植物が芽吹く前には、必ず冷たい土の下で根を広げる時間が必要です。皆さんは今、その根を深く、広く張っている真っ最中なのです。ここで踏ん張った経験は、たとえ結果がすぐに出なかったとしても、次の学年、次の試練で必ず君を助けてくれる「知恵」と「勇気」に変わります。

保護者の皆様へ この1年間、お子様を当塾に預けてくださり、本当にありがとうございました。 2月のこの時期、受験生を持つご家庭はもちろん、どの学年の保護者様も、お子様の将来や学習状況に少なからず不安を感じておられることと思います。しかし、日々の授業や自習室での姿を見ていると、子供たちは私たちが思う以上に、たくましく成長しています。

3月はぜひ、テストの点数だけでなく「この1年、投げ出さずに塾に通い続けたこと」「自分なりに工夫して勉強に向き合ったこと」を、言葉にして褒めてあげてください。私たち講師の言葉も大切ですが、ご家族からの「頑張りを見ているよ」という一言が、彼らにとって何よりの励みになります。

最後に さあ、新しいノートを準備しましょう。 2月の踏ん張りは、3月の自信になり、4月の希望へとつながります。 別れに寂しさを感じ、新しい環境に不安を抱くのは、それだけ今の場所で一生懸命に過ごした証拠です。来月、また一つ成長した皆さんと、新しい教室で会えるのを心から楽しみにしています。

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